中古車選びをする際には試乗をした方が良いのでしょうか。試乗したのに気に入らなくて購入を断るような場合、販売店さんに悪いと思って試乗をためらってしまうことがあるかもしれません。もしくは、販売店から詳しい説明も受けたので、実際に乗ってみる必要はないと思うかもしれません。しかし、試乗しないで購入するのは危険です。なぜなら、その車の価値は動いた状態で決まるからです。
乗ってみないとわからないことがある
販売店の人から丁寧な説明を受けたとしても、実際に運転してみないとわからないことがたくさんあります。例えば、アクセルを踏んだ時の加速の具合やブレーキを踏んだ時の効き具合などです。もちろん、検査を受けて販売されている車なので、走らないとかブレーキが効かないということはまず考えられません。
しかし、加速の具合というものは自分の感じ方に多くのことが依存します。販売店員が、加速が良いですよと言っていても、自分がそのように感じなければ購入してから不満が溜まってしまうでしょう。
同様にブレーキも、効き方がどのような感じなのか、また異音などはないかをチェックするためには試乗してみることが一番です。自分が前に乗っていた車もチェックする時の基準になるため、他の人のレビューだけではなく運転する人本人が確かめることは大切です。
乗ってみてわかるのは操作性のことだけでなく、エンジンの音がどのくらい車内に響くのか、振動はどのくらいあるのか、エアコンの効きは良いか、変な臭いはしないか、などといったことも実際に運転してみてわかる事柄です。
他にもシートの座り心地やドリンクホルダーの使い勝手、カーナビの操作性や見やすさなども、実際に運転してみないと分かりづらい事柄です。こうしたものは好みの問題でもあるので、自分できちんと確認するようにしましょう。
試乗して気に入った場合
実際に車を運転してみて気に入った場合にはどんな点に注意するべきでしょうか。それは自分が試乗させてもらったということは、他の人も試乗するかもしれないということを考えておくことです。
残念なことに、試乗車だということであまり大切に扱わない人がいます。せっかく気に入って、他に良い車がなかったら購入しようと思っていても、最終的な決定をする前に他の人が試乗して問題を起こしてしまうことがあり得ます。例えば、車内を汚されてしまったり、最悪の場合にはボディに傷をつけられたり事故を起こしてしまったりということがあり得ます。
そのため、試乗して気に入った車は他の人に試乗させないでほしいということを販売店の人に伝えることが大切です。そんなことできるのかと思うかもしれませんが、本気で購入を検討していることを伝えれば、購入の最終決定の返事をするまである程度の期間は他の人が試乗しないように取り計らってくれるはずです。
返事をするまでの間は「商談中」などの札が車に掲げられ、他の人が試乗することはほとんどありません。もちろん、このようにお願いするのは本気で購入を検討しているときだけにしましょう。
試乗する時に注意しておくべき別の点
試乗しているときに事故を起こしてしまった場合には自分で賠償責任を負う可能性があるということを覚えておきましょう。
基本的に試乗できる中古車は販売店側の所有になっています。そのため、販売店側が自動車保険に加入しているはずですが、その保険だけではカバーしきれない損害を起こしてしまった場合には試乗した人に請求が発生する可能性があります。
また、販売店側が自動車保険に全く加入していないといったケースもあり得ます。そのため、試乗する前にしっかりと事故が起きてしまった時のことを確認するようにしましょう。試乗する前に説明を受けたり、書類にサインしたりすると思いますが、その時にきちんと書類に目を通すこと、わからない点や曖昧な点があれば運転する前に販売店の人に確認することは重要です。
試乗時間にも注意する
試乗することができるといっても、何時間も何キロも試乗できるわけではありません。そのため、外装の様子やシートの座り心地など、運転しなくてもわかることは事前にしっかりとチェックしておきましょう。試乗してとても気に入ったのに、後でボディに傷があることがわかって購入を見送るならば時間や労力が無駄になってしまいます。
試乗時間は限りがあるので、車の運転が始まったならば最初に説明したアクセルやブレーキの具合を始め、自分が気になることを忘れずにチェックします。運転を始めるとテンションが上がるのでチェック項目を忘れてしまう可能性があります、そのような場合には事前にチェックしたいものを書き出しておいたり、試乗をする時には家族や友人などに一緒について来てもらうと良いでしょう。
まとめ
車の購入は大きな買い物です。また、失敗したからと言ってすぐに返品交換のできるものではありません。そのため慎重に選ぶようにしましょう。手続きや確認することは少し手間になりますが、実際に運転してみないとわからないことがたくさんあるので試乗することは大切です。